エクスペディアグループの民泊サイト運営会社、ホームアウェイ(木村奈津子日本支社長)と全国古民家再生協会(園田正文理事長)、楽天グループの民泊事業会社である楽天ライフルステイ(太田宗克社長)は4日、古民家を活用した民泊事業で業務提携した。
全国に埋もれている古民家を再生し、民泊物件として活用する。3者業務提携の目的は「国内外の旅行客に向けて、古民家の認知・価値拡大を図り、長期滞在を促し、地域の観光活性化を加速させること」とした。
3者の役割分担では、ホームアウェイは「グローバル規模でのマーケティングと送客」、全国古民家再生協会は「日本全国の古民家物件の供給」、楽天ライフルステイは「古民家物件の民泊施設としての開発支援と運用」を担う。
全国古民家再生協会(東京都港区、全国55支部・会員数365社)は2011年設立の一般社団法人。工務店、不動産会社などが加盟している。同協会では、今回の提携の一環として、古民家を宿泊施設として利用する場合の基準となる「古民家宿泊鑑定」制度を整備。耐震性、気密性、快適性、そもそも古民家か―など20項目で物件を鑑定し、「古民家宿泊鑑定済」のロゴを発行する。同ロゴはステッカーとして対象物件に掲示するほか、ホームアウェイのサイトに掲載する。他の民泊仲介サイトにも使用を呼びかける。19年3月末までに200件の鑑定を目指す。
同協会の井上幸一事務局長は、「安全、安心、快適な日本の古民家を世界に発信したい」と抱負を語った。
ホームアウェイの木村支社長は、東京都港区の同社本社で開いた会見で「ホームアウェイが行っている民泊事業は、『バケーションレンタル』という分野で、家主不在型の貸し切り物件、すなわち一軒家、別荘、古民家、マンション、ロッジ、ヴィラを扱っている。米国では、宿泊市場の17%のシェアを持ち、そのうち40%がオンライン経由で予約されている」と説明し、日本市場の将来性を示唆。その上で「現在、日本全国に128万の古民家があり、半分の64万は利活用が可能だ。古民家という日本独自のユニークな物件を、世界190カ国、月間4千万人の顧客に紹介していきたい」と述べ、提携への意気込みを語った。
ホームアウェイと楽天ライフルステイは、昨年7月3日に民泊事業で業務提携している。
記者会見で握手する(左から)木村、井上、太田の各氏
「古民家宿泊鑑定済」のロゴ